買い物の帰り、いつもと違う道を通ったおとーちゃん、

おかーちゃんの「ちょっと待った！」のひと言で車を止めてみると、そこは隠れ家のような公園だった。

 

この白い花が咲いている大きな木は何ていう名前なんだろう。

「モクレンでしょ」おかーちゃんが言った。

「コブシじゃないの？」おとーちゃんが答えた。

 

「モクレンよ。うちの木と同じ種類だわ」

「コブシだよ。花の形がちょっと違うもん」

おとーちゃんとおかーちゃんの意見は食い違っている。

 

ところで、おふたりさん、モクレンとコブシの違い知ってるの？

「知らないわ」

「知らないな」

ふーん、知ったかぶりね。

 

「ハナちゃん知ってるの？」

知らない・・・

 

我が家は知ったかぶり一家であることが判明した春の日。