【お歳暮さんがやってきた】

おとーちゃんが、会社から「お歳暮」なるものをもらってきた。

夏芽ちゃん、お歳暮ってなあに?

「チョコレートのことでしょ。」

そうか、チョコレートの別名か。

ひとつ食べてもいいかな。

「ハナちゃん、お歳暮もらったらお返ししなちゃいけないのよ。」

そうなの? さすが夏芽ちゃん、博識だ。

ところで、誰にお返しすればいいんだろう。

おとーちゃんかな、会社かな。会社だと行かなきゃならないよね。

ハナちゃん、出勤する、なんちゃって、ちょっとかっこいいじゃん。

 

「ハナちゃん、さっきからチョコレートをジーっと見つめてワォワォ言ってるけど、どうしたのかしら?」

「食べたいんじゃないの?」

「ワンにチョコは良くないわ。戸棚にしまいましょ。」

 

あ〜、ハナちゃんのお歳暮がぁ〜。

おかーちゃん、おとーちゃんの代わりにお返し持って出勤するからさ、ひとつちょうだい。

 

「ハナちゃん、何をお返しにするつもり?」

「そりゃ、ハナちゃんが大切にしてるものをあげるよ。干しミミズ♡」

 

夏芽ちゃんは、おとーちゃんの会社のおねーさんたちが干しミミズを見て悲鳴をあげる光景が目に浮かんだ、、、